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新英語教育研究会神奈川支部HP

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ルターの提案:★五文型の覚え書き

●2017.12.25 英文法ルターの提案:§ 1 この棒はナイフとして機能する


以下の投稿を新英研のメーリングリストにしました:

メーリングリストに五文型の議論が出てきて、拝読しているだけでは収まらなくなって、土曜日に3時間ぐらい文章を書いてしまいました…。
長すぎるので、以下のリンクはお時間のある方のみにお勧めします。

https://plaza.rakuten.co.jp/shineikenkngw/diary/201712230000/

短めに書き直したので、「英文法ルターの提案」シリーズの1回目として昔、書いたものを紹介させて下さい。

五文型の話は、スタイル(文体)の転換につなげなければ、もったいないと考えており、こういう話題を高校英語の授業に提案したいと願い続けています。

以下に出てくる「ルター」は先生役の英文法ルターで、「サムくん」は生徒役です。

§ 1 この棒はナイフとして機能する This stick serves as a knife.

●ルターの提案:説明文で多用される、一般動詞+as / for ~「〜として」に注目しよう!

●エピソード: as ~「〜として」との出会い
 ある夏のこと、ルターは山梨・甲斐小泉から戻る途中、大学の後輩たちと小田原城に寄った。小田原城には鉄砲・長刀・槍などの武具の展示があり、来場者のために日本語と英語の説明がついていた。小さな棒のようなものに、こんなキャプションがついていて目をひいた。

 This stick serves as a knife.(この棒はナイフとして機能する)

 「おお!」とルターは感動した。

 説明文では通常、A is B.のようにのbe動詞を用いる。
This stick is a knife.(この棒はナイフです)だと、小・中学生も理解できる平易な「子どもの文章」になってしまう。
 ここでis(〜です)ではなくserves as ~(〜として機能する)を使うだけで格調高い「大人の文章」になるではないか。その日以来、ルターはas ~ / for ~「〜として」という前置詞に注目して例文を集め始めたのであった。

例1)「この棒はナイフだ」 This stick is a knife.を言い換えると… 
1)【SVC】 This stick is a knife.
その棒は である ナイフ
2)【SV】 This stick serves as a knife.
        〜として機能する
3)【受動態】 This stick can be used as a knife.
使える[使われうる]ナイフとして
4)【SVO】 They use this stick as a knife.
(彼らは)    この棒を使う ナイフとして


※サムくんのコメント:This stick serves as a knife. 「この棒はナイフとして機能する」
This stick can be used as a knife. 「この棒はナイフとして使われうる」
この2文が、This stick is a knife. 「この棒はナイフです」
の変形だとは…、気づきませんでした。


例2)「UNは国連だ」 UN is United Nations.と言うと、子どもっぽいから…
1)【SVC】 UN is United Nations.
〜である 国際連合
2)【SVO】 UN represents United Nations.
〜を表わす 国際連合
3)【SV】 UN stands for United Nations.
〜を表わす[〜として存在する、~の代わりに存在する]
4)【SVC】 UN is an abbreviation for United Nations.
〜の略語である 国際連合

※サムくんのコメント:stand for ~ 「~をあらわす」=represent ~ 「~を表現する」だと丸暗記していましたが、
このfor ~ には、「~として…」という意味があったんですね。



●まとめ:説明文ではThis is a pen.「これはペンです」のような「AはBである」という文が多発し、主語Aと補語Bのつなぎ語は【be動詞】ばかりになってしまう。そこで文体に変化をつけ、英文を格調高くするためにserve as「~として機能する」のような【一般動詞の自動詞+前置詞】の表現を利用する。そのとき活躍するのが以下の【前置詞】である。

前置詞
┌ as ~  〜として…
└ for ~ 〜として…[代理/代表]
┌ to ~  〜に…[対応]
├ into ~ 〜に…[変化]
└ in ~  〜に…[状態]
┌ of ~  〜で…[構成]
├ on ~  〜で…[密接]
└ with ~ 〜で…[付随]




2017.12.23 英文法ルターの提案:五文型の覚え書き

新英研のメーリングリストで五文型だったので、3時間以上使って書いたもの。
2002.5.15の神奈川支部の発表を再構成。未完成ですがとりあえず、UPします。

Longman Exams Dictionaryの例文は(LED)、Longman Contemporary Englishは版の違いで(L1)~(L4)のように表記

●意識したい指導上のポイント
・ 「人を主語にした文」を組み立てる態度が自然に身に付く例文を選ぶ。
・ 「分かる」ために2つの文型を比較する:5文型は「動詞」の型を類型化したもの。1つずつを「知る」だけではなく、2つずつ取り上げて「比較」するとそれぞれの持ち味が「分かる」。
SVとSVO: get in「(人が)入る」とlet ~in「(人が)人を入れる」のようにgetが自動詞になる用例を意識させる。
SVAとSVOA:leave for Osakaとleave Tokyo for Osaka
SVOとSVOO:「人に物を与える」のヴァリエーションを拡大
 give 人+物
 supply 人+with 物   
 cover 場所+with 物
 deprive 人+of 物   
 clear 場所+of 物
 make 物+from / out of 材料   
 clear 物+from / out of 場所

・さまざまな「話題の提示」の仕方(注意! 完全ではないので参考程度になさってください)
(a)話し言葉で初めての話題を提示
 相手の場:実感がこもる自然な発話You’ve got a/an/some ~「(気づいて/あっ!)〜だね」
      You’ve got a new watch. Where did you buy it? 新しい時計だね。どこで買ったの?
      → Your watch is new.(あなたの時計は新しい)では、臨場感がない。
 自分の場:I’ve got a/an/some ~「(そういえば…/そうだった!)〜があるんだ」
   I’ve got a present for you. I’ll go upstairs and fetch it.(その場に物がなくとも話題に出来る)
      This is a/an/some ~: This is a present for you.
      Here is/are a /an / some ~: Here is a picture of my family.
(This is…/Here is…はその場に「物」がないと話題に出来ないが、このように初めて出す話題の唐突感をやわらげられる。ホームステイでプレゼントを差し出したり、家族の写真を見せたい時などに便利な表現)
 ・カメラアイの一貫したYou can find…: Turn left, and you can find a post office.「郵便局がある」
(b) 書き言葉
 説明文向きのThere is/are a /an / some…
 報告文ではカメラアイの一貫したI found …: When I entered the room, I found him lying on the floor.「部屋にはいると、彼が床に横になっていた」(…he was lyingにするとカメラアイが不自然)
 物語文ではOnce upon a time, there was/were…
 説明文では身近なかんじのするYou can find…


1)基本編:共通性を認識する
●【SVOOとSVO】目的語の「人」「物」の語順の違いに注意して、空欄に共通する前置詞を書き、英文の意味を答えなさい。

1 SV(O)+to:「行く」「連れて行く」「くっつける」「くっつく」+(物を)+場所に ※方向
(a) Some students go ( ) school by bus.
(b) We take the kids ( ) school in the car.(L3)
(c) I stuck it ( ) the window.
(d) I could feel my shirt sticking ( ) my back.(LED) (私は)シャツが背中にくっついて(いるのを感じて)いた。

SVO+to:「与える」「贈る」「言う」「読む」「送る」「供給する」+物を+人に ※方向
(a) Sam gave some flowers ( ) me.
(b) Sam presented some flowers ( ) me.
(c) Sam told an interesting story ( ) me.
(d) Sam read a story ( ) me.
(e) Sam sent a birthday card ( ) me.
(f) They supply milk ( ) us.

2 SVO+for:「料理する」「手に入れる」「ハミングする」+物を+人のために・人の代わりに
(a) Salah cooked lasagne for her parents when they visited. (L3)
(b) Get some drink ( ) me.
(c) Play it, Sam. Play 'As Time Goes By'. I'll hum it ( ) you.サム、演奏して。「時の流れるままに」を演奏して。私が(あなたのために)ハミングするわ。 [映画『カサブランカ』のイングリッド・バーグマンのセリフ]

3 SV(O)O「与える」「買う」「手に入れる」「料理する」+(人に)+物を
(a) They gave her an award.
(b) Let me buy you a drink.(L3) あなたに飲み物を(私に)買わせて下さい
(c) Emily got me a ticket.
(d) He decided to cook his parents a special meal for their wedding anniversary. (L3)
彼は両親の結婚記念日に両親に特別な食事を料理することにした。

 SVO+with:「贈る」「満たす」「覆う」「供給する」+人に・場所を+物を・物で
(a) They presented her ( ) an award.
She was presented ( ) an award.
(b) They filled a cup ( ) water.
The cup is filled ( ) water.
(c) They covered the tables ( ) clean whote cloths.(L3)
The tables were covered ( ) clean whote cloths.
(d) Cows supply us ( ) milk.

4 SVO+ (out) of:「作る」「形作る」+物を+材料で ※目で見て分かる
(a) They made a desk ( ) wood.
This desk is made ( ) wood.
(b) They built a church of brick.
The church was built ( ) brick. (LED)
(c) We're trying to build up a picture ( ) what happened. (LED)

5 SVO+ from:「作る」「引き出す」+物を+材料で・資源から  ※知識で分かる
(a) They make paper ( ) wood.
Paper is made ( ) wood.
(b) He derived some comfort ( ) the fact that he wasn't the only one to fail the exam. (L3) 彼は自分が試験に落ちたのは自分だけではないという事実からなぐさめを引き出した。
(c) Medically, we will derive great benefit ( ) this technique. (LED)
(d) The word "derive" derives ( ) Latin. (L2) deriveという語はラテン語から来ている。
This word is derived ( ) Latin. (L2)


6 SVO+ into:「作る」「変化させる」「翻訳する」「変形させる」+物を・人を+物に  ※変化の方向
(a) They make wood ( ) paper.
Wood is made ( ) paper.
(b) The witch changed the prince ( ) a swan.
The prince changed ( ) a swan.
(c) Translate the text from Italian ( ) English.(LED)
(d) The movie transformed her almost overnight from an unknown schoolgirl ( ) a megastar.(LED) その映画は彼女をほとんど一夜にして無名の女子生徒から超人気者にした。

7 SV(O)(O)+ for:「払う」「両替する」+(人に)+(金を)+物と  ※交換
(a) Mum and Dad paid ( ) my driving lessons.(L3) パパとママが私の自動車免許講習の費用を払ってくれた。
(b) I paid her $200 ( ) this painting. (L3)
(c) Where can I exchange my dollars ( ) pounds? (L3) どこでドルをポンドに替えられる?
SV(O)O+ for:「買う」+(人に)+物を+お金で  ※交換
(a) Dan bought the car ( ) $2000.(L3) ダンはその車を2000ドルで買った。

8 SV(O)+for:「探す」「尋ねる」「要求する」+(人に・場所を)+物を求めて
(a) I'm looking ( ) the door key.
(b) Emily asked ( ) some money.
(c) Emily asked Tom ( ) some money.
(d) Ken searched ( ) the door key.
(e) Ken searched his pocket ( ) the door key.

9 SVO+from:「買う」「借りる」「手に入れる」+物を+場所から
(a) I bought this ( ) an old guy in the market.(L3)
(b) I borrowed some books ( ) the library.
(c) I get some vegetables ( ) the supermarket.




2)応用編:文型の違いを対比する
●【SVOOとSVO】目的語の「人」「物」の語順の違いに注意して、空欄に適切な前置詞を書きなさい。
Sam gave me some flowers.
(a) Sam gave some flowers ( ) me.
(b) They supply milk ( ) us.
(c) They supply us ( ) milk.

答え[to] [for] [with]

●【SVC「〜に見える」など五感や判断に関係する動詞:SV+前置詞+名詞」と「SVC(形容詞)】
 適切な語を選び、文を完成しなさい。
1(a) That man look ( a movie star / like a movie star ).
(b) That man look ( nice / nicely ).
2(a) This room smells ( onions / of onions ).
(b) The flower smelled ( sweet / sweetly ).

●【SVとSVO】(a)と(b)の文型の違いに注意して、日本語にしなさい。
1(a) Sam left for Osaka yesterday.
(b) Sam left Tokyo for Osaka yesterday.
2(a) Emily asked for some money.
(b) Emily asked Tom for some money.
3(a) Ken searched for the door key.
(b) Ken searched his pocket for the door key.

●《Speak Out!》【SVC】be動詞を使って、自分のことを話してみよう。
(a) 特技や嗜好
What sport do you like? / Do you like music? etc.
I'm a Giants fan. [a good pianist / a coffee drinker]
(b) 親族関係や社会的な関係
What's your relationship to Mr. Tanaka?
I'm his son. [his son-in-law / his ex-wife]
I'm his student. [his co-worker / his neighbor]
(c) その場での人間関係
Would you show me the way to the railway station?
Sorry, I'm only a stranger. [a tourist / a passer-by]
(d) 職業・国籍・名前
What do you do? (ふだんは何をされているのですか?)
I'm a high school student.(高校生です)[a technical college student]
What is your nationality?(国籍は?)
I'm Japanese.(日本人です)[Chinese / Korean / Korean-American]
Your name is ...?(お名前は?)
YAMADA Naoko. Yamada is my family name.(山田直子。「山田」の方が「姓」です)
[Naoko is my given name.(「直子」の方が「名」です)]
(e) その場の体調や気分・その場での態度(聞き手への対応)
How do you feel? How are you?
I'm fine.[tired / sleepy / awake / okay]
Can you hear me? Are you OK?
I'm all ears.(話は聞いていますよ[=全身が「耳」状態])[all eyes]
I'm all bad.(どうせ僕が悪いんだよ)
I'm no bad.(僕は悪くなんかない) [all right / no mad]
(f) 態度や思考・感情・価値判断
What do you think?
I'm afraid so.(嫌だけど、そうだと思います)[sure / afraid / convinced / aware]
How do you feel?
I'm surprised that ....(…ということに驚いています)
What do you say to this plan?
I'm against it.(それに反対です)[for it]

●カメラアイ(一貫した視点で述べる):日本語から考えて英作文すると、英語としては不自然な文になる場合があります。以下の英文を読んでみましょう。

1 部屋に入ると、彼は床に横たわっていた。
【英語としては不自然な文】When I entered the room, he is lying on the floor.

(私が)部屋に入ると、(私は)彼が床に横たわってい(るのが分かっ)た。
【SVOC】When I entered the room, I found him lying on the floor.

2 私は彼の肩をたたいた。
【英語としては不自然な文】I patted his shoulder.

 私は(彼を)彼の肩(の部分)をたたいた。
【SVO】I patted him on the shoulder.

3 右に曲がれ(、そうすれ)ば(あなたは)左手に郵便局(を見つける)よ。
 Turn right, and you'll find a post office on your left.



●【スタイル転換】「~は~である」
1 姉は看護師だ。
【SVC】 My sister is a nurse. 姉は看護師である。
【SV】 My sister works as a nurse. 姉は看護師として働いている。

2 この棒はナイフだ。
【SVC】 This stick is a knife. この棒はナイフである。
【SV】 This stick serves as a knife. この棒はナイフとして機能する。

●【スタイル転換】it when節→the way節→現在分詞
【SV0】 I don’t like it when he laughs. 彼が普段笑う時が嫌い。
【SV0C?】 I don’t like him the way he laughs. 彼が普段笑うさまが嫌い。
【SVOC】 I don’t like him laughing. 彼が笑っているのが嫌い。

●【スタイル転換】be動詞→受動態→SVOC
【SV】 There is some milk in the glass. コップに牛乳がある。
There is some milk left in the glass. コップに残っている。
【SV】 There are a lot of people waiting in line. たくさんの人が並んで待っている。
A lot of people are waiting in line. たくさんの人が並んで待っている。
【SVOC】 I found lot of people waiting in line. (私は)たくさんの人が並んで待ってい(るのが分かっ)た。

【SVC】 The door is white. そのドアは白い。
【SVC?】 The door was painted white. そのドアは白く塗られていた。
【SVOC】 They painted the door white. 彼らはそのドアを白く塗った。

●【スタイル転換】依頼 (a)依頼される人が目的語 (b)物が目的語 
(a)【SVOC】 I’ll have my brother repair my bicycle.
     私は〜させよう 私の兄 修理する…:自転車を兄に修理させよう。
(b)【SVOC】 I’ll have my bicycle repaired (by my brother).
私は〜状態を持とう 私の自転車 修理されて…(兄によって):自転車を修理してもらおう。

●【スタイル転換】SVOで平易に表現:「髪を切ってもらう」「散髪する」
(a)【SVOC】 I must have my hair cut – it’s getting too long. (L3)
(b)【SVO】 You’ve got a haircut. I like it.



●SVとSVCの文型のはざまで
・count(重要である) =be valuable,have value
 □ It is not what you say but what you do that counts. 何を言うかではない、何をするかが大事だ。

・pay(割に合う)=be profitable
 □ Crime doesn’t pay. 犯罪は割に合わない。

・show(その場で見える・分かる) =be noticeable
 □ Don’t worry about that tiny stain; it won’t show.気にするな、そんな小さなシミ、わかんないよ。
 □ You stick around and it may show. くっついていれば、そのうち分かるよ。[ビートルズの歌 Something]

・show(映画館で)やっている
 □ What’s showing at the cinema? – They’re showing a Marx Brothers film. 映画館で何やっている?−マルクス兄弟の映画。

・work「うまくいく」 =be successful
□ What do you think of Jill’s suggestion? Will it work? ジルの提案は、どう思う? うまくいくかな?

・do「事足りる」=be enough,be suitable
□ Will £5 do? 5ポンドでいい?
□ This little bed will do for the baby. この小さなベッドで赤ちゃんには十分ね。






●勝見務『英語教師のための英文法再整理 7文型のすすめ』研究社(2001)p.2
主語(Subject)
述語動詞(Predicative Verbs)
目的語(Object)
補語(Complement)
1. SV The sun is shining.
2. SVC She is a student.
3. SVO He threw the ball
4. SVOO I sent her a Christmas card.
5. SVOC People called him a genius.

●指導上の提案:5文型
 日本語を母語とする学習者にとって英語の「モデル」として優れているので継続して指導する方がよい。ただし指導法の有効性とこれまでの問題点・本来持っている限界を意識化し、学習者を「落とし穴」に落とさないようにする指導者の配慮が求められる。

●理由
・「学習者が安心する仕掛け」としての5文型
「7文型」「26文型」という提案 もある。しかし仕掛けとなるモデル というのは「類型が多すぎず、少なすぎもしない」「単純であること」「構成要素の対比が明快」「類型の構成理由が他者にも理解できる」「例外が少ない」、そして「他の範囲に応用が可能」なのがよい。「英語の文は5つに分類できる」というのは事実でなくとも、質の良い仮説といえる。複雑で長い文も「これはSで、これはOだ」のように分類することで学習者も安心する。

・英語のスタイルの骨格がわかりやすい:
「SV…で文を組み立てる」
「他動詞/自動詞の区別が明快」



●5文型指導における「落とし穴」:生徒を落とし穴に落とさないことが肝要
・生徒は SVOとSVCの区別がなかなかわからない:
 文脈がない2文を対比させて、どれがOでどれがCかという区別させることにのみ執着しない。
・ 分類に悩む文がある:
進行形(SV or SVO):He is singing a song.
受動態:He is loved by his parents.

SVOは動作「〜は〜する」/出来事「いつどこで誰がどうした」
SVCは説明「〜は〜である」や状態「〜はどんなだ」/状況「〜がどうなっている」

●「文脈のない2文比較」をやめよう!:英文法や言語学が権威づけられてきた装置として「文脈のない2文比較」がある。文法解説で「文脈のない2文比較」を設定すると人々は幻惑されてしまう。
 チョムスキーの話題になると必ず出てくるFlying planes can be dangerous.は、「飛行機を飛ばすことは危険だ」と「飛んでいる飛行機は危険だ」のどちらの意味が取れるからといって驚くに当たらない。普通の状況では発話される状況[言語外の情報]で分かったり、誤解のないようにその後にもう1文続けたり、語順を変えたりするからだ。「ここではきものを脱いでください」を「はきもの」「きもの」で区別させる言葉遊びに近い。


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